煎り酒とは、室町時代から江戸時代中期くらいまで、しょうゆの代わりに使われていた調味料です。
しょうゆが高価で手に入らなかった時代に広く使われていました。
当時の材料は日本酒、梅干し、かつお節を基本に、梅のすっきりとかつお節のうま味、日本酒の風味のシンプルな味わいです。
煎り酒は、うま味成分が塩の代わりになって、塩分濃度が低くてヘルシーな調味料として話題になったこともありました。また使い方も、そのまましょうゆの代わりや白だしの代わりに使えるので簡単に使用できます。
今回は、コクとうま味を強化した、ご家庭でも作りやすいレシピと使い方をご紹介します。
目次
どんな材料が必要?
・日本酒・・・コクのあるしっかりとした味の「醇酒」が良いです。純米酒などコクがありますが、今回は雑味も含めてどっしりした味の「タカラ料理のための清酒」をおすすめします。
高級なきれいすぎるお酒は飲むには良いのですが、どっしりした酒で、雑味がありしっかりとコクや酸味のある酒の方が、調味料として適しています。
・かつお節・・・かつお節パックで構いませんが、あれば厚削り節がより◎
・梅干し・・・細かくちぎって、種も使用します。
材料
作り方
準備:梅干しはちぎって細かくしておきます。種も使います。
昆布は細かくキッチンバサミで切っておく。
塩は後から追加してもOK
1.ボウルに全量入れて、冷蔵庫で一晩(8~12時間)冷蔵する
2.鍋で半量まで煮詰める
3.ザルで濾す
4.保存容器に入れ、冷蔵庫へ(一度冷蔵した方が味が落ち着くと思います)
5.冷めたらできあがり
保存方法
うま味成分が塩の代わりになって、塩分濃度が低くてヘルシーなのですが、その塩分濃度が低いことで保存性が低いです。冷蔵庫で保存することが原則ですが、1週間くらいで使い切ってください。冷凍しても解凍すると、風味が変化してしまう恐れがあります。早めに使い切ってください。
煎り酒の使い方
しょうゆ代替・・・煎り酒の風味を味わう
鯛の刺身
いか刺し
餃子のタレ
納豆のタレ
冷奴
白だし代替
卵かけご飯にかけて
煎り酒ドレッシング
煎り酒 大さじ2
オリーブオイル 大さじ2
酢 小さじ2
こしょう(お好みで) 少々
全量を混ぜ合わせて
野菜
・野菜焼きびたし・・・ナス、アスパラガス、ピーマン、かぼちゃなど魚焼きグリルで焼いた野菜をそのまま漬け込んで
・ほうれん草のおひたしにかけて
煮物
○煮しめの作り方
材料
にんじん 1/2本
れんこん 1/2本(100gくらい)
干ししいたけ 3枚
こんにゃく 1/2枚
【A】 煎り酒 大さじ4
みりん 大さじ2
砂糖 大さじ1
水 200cc
塩 少々
作り方
1.れんこんは5mm厚さの輪切りにして水にさらしておく。30分ほど晒したら10分くらい中火で茹でる
2.こんにゃくは5mm厚さに切り、熱湯で2分間ほど茹でて、ざるに上げる
3.にんじんは皮をむき、5mm厚さの輪切りにして、やわらかくなるまで塩茹でする
4.干ししいたけはぬるま湯で柔らかく戻しておく
5.1~4.すべてを鍋に入れて【A】を加えて中火にかける。煮立ったら弱火にし、落としぶたをして10分間煮る
6.材料がやわらかくなり、煮汁が煮詰まったら火を止め、そのまま味を含ませる(冷めていくことで味が染み込んでいきます)
保存:冷めたら保存容器に移し、冷蔵庫で保存。
このとき材料ごとに分けておくと、盛りつけるときに便利
材料の下味に
鶏唐揚げ・・・鶏肉を漬け込むとやわらかくなり、梅のさわやかさプラス
塩鮭・・・塩辛い場合は、漬け込むことで、塩味を抜いてうま味をプラスできます
まとめ
煎り酒は料理に独特の風味を加えることができるので、いろいろな料理で試してみてください。新しい発見があるかもしれません。