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料理と発酵調味料:レシピの中の発酵調味料「みりん」

料理と発酵調味料「みりん」解説

レシピサイトなど見ていると、材料に「みりん」とあります。

スーパーなどに行くといろいろな種類のみりんがあり、どれを選んだらよいか迷ったことはありませんか?

今回は意外と知らない発酵調味料「みりん」について解説します。

 

みりんとは

日本の料理に使われる調味料で、甘くアルコールを14%ほど含んでいます。
もち米、米麹、焼酎(醸造アルコール)を主原料として発酵させて造られます。

みりんの歴史

みりんは昔、甘い酒として飲用されて、お屠蘇(おとそ)として飲まれてきました。

江戸時代くらいから高級調味料として使われ始めました。

みりんの種類

・みりん風調味料

・みりんタイプ(発酵調味料)

・本みりん

 
みりん活用
古くなった米2合に対し
みりん 大さじ1で炊くと
古米臭を抑え甘みとコクがプラス

 

◆みりん風調味料

みりん風調味料とは、水あめを主原料として味を調整した調味料でアルコールを含んでいません。そのためみりんのアルコールによる効果である煮崩れ防止、臭みをとる効果は期待できません。

 

◆みりんタイプ調味料

似た名前でみりんタイプ調味料があります。法律的な分類名は「発酵調味料」となりますが、呼称として醸造調味料、新みりん、加塩みりんとも呼ばれます。
これはアルコールが含まれています。
また、塩が入っているので味付けを気を付けないと塩辛くなってしまいます。
使い慣れないと少し難しい調味料かもしれません。

 

◆本みりん

レシピに「みりん」とあったら、このみりんを使用することをおすすめします。

本みりんには2種類あります。
1種本みりんと2種本みりんです。


 〇1種本みりんとは伝統的な製法に基づきもち米、米麹、焼酎(醸造アルコール)を主な原料として醸造されたみりんです。焼酎(醸造アルコール)が甲類焼酎を使用しています。
 〇2種本みりんとは、同じく伝統的な製法に基づきもち米、米麹、焼酎を主な原料としています。
焼酎の部分が乙類焼酎を使用しており、熟成期間が1種に比べ比較的長くなります。

作る料理により使い分けをする

比較すると
 〇1種はすっきりとクセがない。色が薄い。熟成が1年くらい。
 〇2種は甘み強い。色が濃い。熟成期間はまちまち。

この二つの大きな違いは、香りの違いです。
乙類焼酎の違いによって香りに特徴が出ます。

1種の甲類焼酎は香りに癖がなく、食材の香りや色を活かす料理に向いています。
日本料理の店でよく使われるのは1種本みりんで、繊細な味付けによく使われます。
もちろん2種でも煮物や煮込み料理に香りの特徴を活かして使われることもあります。

 
みりんの代用
甘麹と日本酒を2:1でブレンド
みりんの分量の2倍で使います
風味とコクがちょうどよい感じです

 

調理効果

・食材の臭みをとる
・調味料の味を染み込ませる
・食材の煮崩れを防止する
・まろやかな甘みを加える
・コクや味に深みを出す
・料理にテリ、つやを与える

写真:ぶりの照り焼き

 

アルコールによって調味料の味の浸透が増し、煮崩れ防止する効果があります。
調理酒でもアルコールによって同じ効果がありますが、大きな違いは甘味が含まれているところです。

 

甘味なら砂糖も同じと思われるかもしれませんが、甘みの種類が違います。
砂糖の甘味はショ糖が中心です。ショ糖はストレートな甘さ、パッと甘くスッと消えます。


みりんの甘味は麹の酵素が分解したブドウ糖オリゴ糖などです。
まろやかな甘さで、コクをプラスして、複雑な甘みと余韻を残します。
この余韻が旨味と合わさって、旨味を更に強調する効果があります。


味覚の話ですが、甘味は口中で感じるもので、旨味はのどの入り口付近で感じます。

ですので、旨味は後から来ます。
甘味の余韻を長く感じることで、後から来た旨味と合わさり相乗効果でより美味しく感じるのです。

 

また、みりんの糖分はアミノ酸と合わさってメイラード反応を起こします。
メイラード反応とは、料理に興味のある人なら聞いたことがあると思いますが、
甘い焦げ臭やカラメル様の香気と、焼き色を料理に与え、美味しさの一要因になる現象です。

 

この反応により、焼き鳥のタレや照り焼きにみりんを使うとより美味しくなり、味に深みを出します。

写真:焼き鳥タレ