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料理と発酵調味料:レシピの中の「酒」

料理のレシピ「酒」解説

レシピに「酒」と書いてあるものを見たことがあると思います。
これは通常、「日本酒」を指します。(日本酒=清酒:以下、日本酒)
料理で使う場合はひとまとめにして「料理酒」と表示していることも多いです。

何が違うのかわかりずらいかもしれません。
今回はこの「酒」(=料理酒)について解説していきます。


料理酒は、発酵調味料と酒類の2種類があります。

料理酒には塩分を含んだものとそうでないものとで区別しています。

塩分を含んだものを発酵調味料=「料理酒」

含まないものを酒類=「日本酒」としています。

 

料理酒の塩分によって料理がしょっぱくなってしまった失敗した経験はありませんか?

また、料理研究家の方が塩を含んだ「料理酒」ではなく、飲める普通の「日本酒」を使うようにすすめることも多いと思います。


これは「料理酒」に含まれる塩分、糖分を考慮しないと、レシピ通りに作っても味のイメージが変わってしまうかもしれないからです。

素材の旨味を引き立たせたいのであれば、料理酒として塩分の入っていない「日本酒」を使うことをおすすめします。

◆日本酒の料理効果

料理酒を料理に加えることによって、以下のような効果が期待できます。

・食材の臭みを消す・・・・・・魚や肉の臭いをアルコールで吸着
・食材を柔らかくする・・・・・アルコールが筋繊維の保水性を高めて柔らかくなる
・味をしみ込みやすくする・・・他の調味料の媒介役、味が浸透しやすくなる。アルコールの浸透圧で味を染み込みやすくする
・旨味やコクを引き出す・・・・深い味わいグルタミン酸イノシン酸かつお節)相乗効果。より旨味を引き出す効果
・煮くずれを防ぐ・・・・・・・ペクチン強化、アルコールがペクチンを強化し、細胞膜の破壊を防ぎ内容物の流出を防ぐ。かぼちゃの煮物、肉じゃが等
・焼き色と香りをつける・・・・メイラード反応。アミノ酸と糖を加熱すると美味しい反応。香ばしい香り

※料理酒は、アルコールや肉・魚の臭みを蒸発させるため、最初に入れてください。
「料理のさしすせそ(砂糖・塩・酢・しょうゆ・みそ)」よりも前に入れることで、
味を染み込みやすくします。

◆料理酒と日本酒の違い
塩分を含むか否か

料理酒とは、塩を添加して飲用できないように作られたものです。
料理酒にも原材料の米、米麹だけ、そこにアミノ酸などを添加されたり、酸味料を加えたりといろんな種類があります。

 

日本酒はお酒コーナーに置いてあるものになります。
値段が高いほうが料理がおいしくなるかというとそうではなくて、〇○吟醸、〇○大吟醸と名前の横の部分で書かれているようなものは料理へ使わない方がよいです。


飲むには香りがよくて美味しいですが、逆に香りの高いことが料理の邪魔になってしまいます。紙パックに入った値段の比較的安いほうが良いです。

 

高いお酒と安いお酒の値段の違いは、製法もありますが、米を精米する度合いの違い(精米歩合)によるところが大きいです。
たくさん外側を削って中心の部分を使い精米歩合35%、50%などのお酒はすっきり淡麗で飲みやすいですが、高精米歩合のお酒には、雑味が多くなります。

 

しかし、料理酒とした場合、この”雑味”が料理を美味しくしてくれる役割になります。
”雑味”の要因は主に、アミノ酸有機酸も含みます。様々なエキス分と有機酸が料理を美味しくするのです。

そこで、今回おすすめするのはタカラ「料理のための清酒」です。

塩は入っていません。料理酒のために醸造した日本酒を使っています。
塩が入っていないですが、料理酒コーナーに置いてあります。
飲むには飲めますが、料理酒として使ったほうがその効果がわかります。

 

写真:アサリの酒蒸し

シンプルな料理で試してみると、この日本酒の効果を実感することができますよ。
一度試してみてください。

写真:椎茸の網焼き(日本酒としょうゆをたらして)