自然なやさしい甘さの「発酵あんこ」
◆砂糖なしでも甘くなる「発酵あんこ」とは?
茹でた小豆と米麹を発酵させて、自然な甘みをつけたあんこのことです。
茹でた小豆と米麹を混ぜ合わせ、60℃で8~10時間ほど保温するだけです。
米麹の酵素が働いて小豆が甘くなります。
ヨーグルトメーカーがあれば手軽に作ることができます。
美味しくて栄養豊富な「発酵あんこ」ぜひ手作りしてみてください。
◆発酵あんこの健康効果
・小豆の栄養
腸内環境や肌質の改善
タンパク質、食物繊維、ビタミンB群、カリウム、鉄、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。
これらは水溶性で、尿や汗として排出されてしまうので、毎日摂取することが推奨されています。
一般的なあんこを毎日食べると糖分の摂り過ぎが心配ですよね。
砂糖を使わない「発酵あんこ」なら、糖質は約30%抑えることができます。
・麹の栄養
腸内環境の改善や免疫力アップ
酵素、ビタミンB群、アミノ酸など腸内環境の改善や免疫力アップなどが期待できます。
◆簡単&時短!ヨーグルトメーカーで作る「発酵あんこ」
60℃をキープする温度管理が重要です。8時間から10時間で甘みを最大限引き出します
米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。発酵あんこは、この米麹の麹菌に含まれる酵素(アミラーゼ)が、発酵の過程で米や小豆のデンプンを投下してブドウ糖にかえます
米麹の糖化酵素は、55℃以下の低温だと働きが弱まり、65℃以上の高温でも失活してしまいます
つまり、糖化させるには、温度管理が最も重要です
適温は約60℃。その温度をキープしたまま8~10時間保温して甘さを最大限引き出しましょう
芯が残った硬いままだと発酵あんこの甘みがでません
小豆を指でつまんで簡単につぶれるくらい、豆の芯がなくなって充分やわらかくなったと確認できるまで、しっかり茹でましょう
硬い小豆はどんなに長く発酵させてもやわらかくなりません
◆手順
1.小豆をゆでる(渋切)
鍋に小豆と水を入れ強火で茹でる。沸騰したら弱火で3分茹でザルにあげる。
(渋切)
この渋切で小豆の渋み、えぐみを取り除くことができます。
2.小豆のアク取り
鍋に小豆を戻し、水を小豆の4倍量(600cc:小豆がひたひたに浸かるくらい)加え、中火にかける。煮立ったら、弱火にしてアクを取ります。
茹でると小豆は2~3倍ほどに膨れるので水は多めに入れておきます。
5分ほどアクを取ったら(このまま40分くらい茹でてもよいですが、時短の為圧力鍋に移します)圧力鍋に移します。
3.圧力鍋に、茹でてアクを取った小豆を入れ(煮汁もそのまま入れる)、強火にかけます。
この時、小豆が液面から完全に浸かるようにしてください。ゆで汁に浸かっていないと茹でムラができる要因になります。足りないときは水を足してください。
4.圧力がかかったら、弱火にして10分茹でます。
5.茹で終わったら、圧が抜けるまでそのまま放置します。
6.圧が抜けたら、ふたを開けて小豆の茹で加減をチェックします。
指でつまんで簡単につぶれるくらい。芯がなくなるまでしっかり茹でます。
7.じゅうぶん茹で上がったら、ボウルの上にザルを置いて、茹で上がった小豆を入れます。
小豆と煮汁に分けます。
8.小豆と煮汁を60℃まで冷ます。
小豆が熱すぎると麹の糖化がうまくいきません。必ず60℃まで冷ましましょう。
9.米麹と小豆を混ぜ、煮汁を加える。
良くほぐした米麹に茹で上がった小豆を入れてよく混ぜ合わせます。
混ぜながら煮汁を少しづつ加え、全体が液に浸るくらいまで煮汁を加えます。
10.容器に9.を入れて、ヨーグルトメーカーで60℃で、8時間保温します。
11.1~2時間後、小豆と麹が液に浸かっていないなら、煮汁をひたひたに浸かるまで加え、よく混ぜ合わせておきます。
煮汁を加えるのはこの1回のみになります。この後は2時間ごとくらいに攪拌します。
12.時間になって、少量味見して、甘味が足りないようなら、あと1~2時間60℃で保温してください。
13.お好みで塩1~2g入れてください。甘さが引き立ちます。
出来上がった発酵あんこをフードプロセッサーでなめらかにして、
こしあん風にできます。
ドリンクなどに入れるにはすぐ溶けて使いやすいです。
◆保存方法
保存容器に移し、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
冷蔵していても酵素が働き、風味が変化していきますのでお早めに召し上がってください。
冷凍する場合は、小分けにして1ヶ月程度保存できます。
甘さ控えめでうま味のある発酵あんこ