酒粕とは日本酒の製造過程で生まれる副産物
使用した米の25%が酒粕になります。
◆美容・健康効果
〇美肌
酒粕はアミノ酸やペプチド、アルブチン、ビタミンB群などの成分が含まれており、肌の保湿や美白に効果があります。
酒粕パックなども知られています。
またフェルラ酸やコウジ酸などの抗酸化作用のある物質が含まれており、体内の活性酸素を抑制し、細胞の老化を防ぐ効果があります。
〇腸内環境の改善
酒粕には食物繊維やオリゴ糖が含まれており、これらは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整え、便秘の予防や改善に効果があります。
またレジスタンスプロテイン(難消化性タンパク質)がたくさん含まれており、これが大腸まで届き、脂肪分とくっついて体外に排出してくれます。水溶性食物繊維と同じ役割で、便秘の改善や血糖値抑制効果もあります。
肥満予防やダイエットに効果あります。
〇血圧の調整効果
アデノイシンが含まれており、これが日本酒を飲むと体が温まる要因ですが、血圧を調整する効果があるといわれています。
◆酒粕の種類は4種類
・板粕・・・・・スーパーなどで一般的に販売されている板状の酒粕
・ばら粕・・・・バラバラの板粕です。料理にはこちらの方が使いやすい
・練り粕・・・・ペースト状の酒粕。溶けやすくすぐ料理に使えます
・踏み込み粕・・練り粕を半年から数年熟成したもの。色も深みを帯びて茶色です
内容物はどれも同じです。
熟成すると風味豊かに味わい深くなります。
〇奈良漬は2,3年熟成した踏み込み粕に瓜を漬け込んだものです。飴色に熟成しています。
写真:奈良漬け
(香りが高い吟醸粕は、料理には向きませんが、酒粕甘酒に使用してください。
華やかな吟醸香の甘酒になりますよ)
◆酒粕の溶かし方
酒粕は固い板粕で販売されている場合が多いと思います。
漬物や料理のときは、ふやかしておくと使いやすくなります。
・基本の溶かし方
1.小さくちぎり(細かいほど溶けやすくなります)容器に入れる。
2.水またはお湯(~60℃)で浸す。
3.10分ほどおいて、へらでよく練り混ぜ合わせる。
酒粕:100g
水: 50cc
・レンジで溶かす
1.小さくちぎり(細かいほど溶けやすくなります)耐熱容器に入れる。
2.水またはお湯(~60℃)で浸す。ふわりとラップをする。
3.レンジに入れて
500Wー1分
600W-30秒
酒粕:100g
水: 50cc
・粕汁など汁物に使う場合(水でのばさない)
1.小さくちぎる
2.鍋にだし汁と小さくちぎった酒粕を入れる
3.溶けるまで混ぜ合わせる
◆漬物の漬け床として使う場合
(粕床は日持ちします。冷蔵庫で1か月は保存できます)
焼き物にするときは、粕床をよく拭き取ってから焼いてください。
・魚用(使い切り:鮭切り身2切れ)
酒粕 50g
味噌 30g
みりん 30g
よく混ぜ合わせ、鮭を漬け込む
一晩で漬け込みOKです。
・鶏、豚用の塩漬け床(使い切り:鶏もも肉1ケ)
酒粕 50g
みりん 30g
塩 小さじ1
よく混ぜ合わせ、肉を漬け込む
一晩で漬け込みOKです。
・野菜の浅漬け用漬け床(にんじん、きゅうり、大根、なすなど)
酒粕 100g(水でふやかしておく)
塩 25g
砂糖 小さじ1
お好みの野菜を漬け込みます。
2晩~1週間で浅漬けの完成です。
〇粕汁の作り方
材料
酒粕(板粕) 100g
大根 1/4本
にんじん 1/2本
こんにゃく 1枚
あぶらあげ 1/2枚
A
水 500cc
だしの素(粉) 小さじ2
酒 大さじ1
味噌 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩 少々
ねぎ 適宜
手順
1.大根、にんじん、こんにゃく、あぶらあげを拍子切りに大きさをそろえる。
2.鍋に水、酒、だしの素を入れ、さらに1.を入れ煮込む。
3.野菜がやわらかくなったら、こんにゃくを入れる。
4.しょうゆ、味噌を入れ、酒粕をよく混ぜながら入れ、溶かしていく。
5.塩で味を整え、ネギをのせたら出来上がりです。
※酒粕の濃度は味見しながら、お好みで調整してください。
鮭やタラを入れてもより美味しいです。
加熱によって、ビタミンなどの栄養素は無くなってしまいますが、汁物にすると残さず摂り入れることができるので、粕汁やみそ汁に酒粕を入れるなどして毎日50gずつ摂取するよう心掛けると健康に良い効果が期待できます。
酒粕の持つ豊かな風味を楽しみながら、健康にもよい効果を取り入れることができます。
◆注意事項
酒粕にはアルコールが8%ほど含まれています。
加熱によって沸騰させると蒸発しますが、妊娠している方やお子様など心配がある方は避けた方が良いです。