香味4タイプ分類から日本酒と料理の相性「ペアリング」について
ペアリングとは相性の良いお酒と料理を組み合わせることをいいます。
組み合わせでお酒と料理の双方の魅力を引き出し、相乗効果を生み出します。
日本酒に合う料理について考えるもとになる、ペアリングについて解説します。
お酒と料理のペアリングの組み合わせを考えるには大きく3つの方法があります。
1.同調(バランス)
2.対比(ハーモニー)
3.洗浄(ウォッシュ)
それぞれ詳細に解説します。
1.同調(バランス)
似た者同士を合わせる方法です。
香りや味の似たものを合わせることを同調といいます。
日本酒と料理の味の強さを合わせることが両方を美味しく楽しむことにつながります。
例えば、濃い味つけの料理には濃醇なお酒を、薄味の料理には淡麗なお酒を合わせるのがバランスがとれていると言え、酸味の強弱、甘味の有無など似ている者同士を組み合わせます。
お酒と酒肴の馴染みが良く双方のうま味を違和感なく味わえます。
2.対比(ハーモニー)
苦味と甘味、など、違う者同士を掛け合わせ、強すぎる風味を抑えたり(抑制)、足りない味を補ったり(補完)する効果があります。
意外な味の組み合わせが調和して、良さを引き立てあうこともあります。
酢を使った酸味が強い料理に甘口の日本酒をあわせると調和がとれます。
ワインでは、マリアージュともいわれ、ワイン用語で「違う味わいのワインと料理が重なり合うと、第3の味わいとしての美味しさが新たに生まれる」ことを指します。
3.洗浄(ウォッシュ)
料理の後味や嫌味を日本酒で洗い流す効果のことです。
この効果によって口の中がリフレッシュされ、料理をさらに美味しく食べることができます。
例えば、脂っこい料理を食べたときには淡麗なお酒で後味を洗い流すと、口の中をリフレッシュしながらも余韻が残り、次の料理への橋渡しの効果もあります。
◆4タイプごとのペアリング
日本酒の4タイプ分類については上記ブログを参考にしてください。
香り高い日本酒のこと。果実や花のようなフルーティで華やかな香りが特徴で、味わいはすっきり軽快なお酒です。
食前酒として飲まれることが多いです。
料理との組み合わせよりも、お酒そのものを楽しむ日本酒です。
・相性の良い料理
春の山菜の天ぷら
アユの塩焼き
白身魚の刺身
鯛のカルパッチョ
ヨーグルト
フルーツ
・避けた方が良い料理
風味が強い、クセが強い料理は避けた方が、お酒の邪魔になりません。
清涼感あるすっきりした味わいで、香りは穏やかな日本酒のことです。
口中の脂をさっぱりリセットする効果(洗浄:ウォッシュ)あります。
また、魚の生臭さを軽減してくれます。
あっさりした味付けの料理との相性はとても良いです。
食べながら飲む食中酒になります。
・相性の良い料理
アサリの酒蒸し
生ガキ
赤身魚の刺身
冷や奴
焼き鳥(塩)
塩辛
豚料理との相性◎
・避けた方が良い料理
本醸造酒はどんな料理とも相性が良いです。
生酒は香りの強い料理は避けた方が良いです。
米のうまみやコクを感じさせるタイプの日本酒で、ふくよかな味わいのお酒です。
食べながら飲む食中酒で、濃い味の料理やとんかつソースなどの、こってり系と相性が良いです。
しっかりと味ののったお酒なら、牛肉とも相性良いです。(熟成が進んだ酒)
・相性の良い料理
きのこバターソテー
煮魚
焼きガキ
湯豆腐
焼き鳥(タレ)
もつ煮
おでん
豚料理との相性◎
・避けた方が良い料理
味が淡白な料理は、酒に負けてしまう恐れがあります。
ドライフルーツやスパイスに例えられる複雑な熟成香に、とろりとした飲み口と濃厚な味わいを持つ日本酒です。
お酒自体の奥深さを味わうお酒です。
おつまみ程度の料理が良いでしょう。
お酒の銘柄それぞれで香味が異なっているので、一概には言えないものが多いです。
・相性の良い料理
ナッツ類
スモークした料理
珍味(からすみなど)
紹興酒のような香りのお酒は中華料理とも相性良いです。
スモーキーな感じのお酒はチョコレートと合わせても良いです。
・避けた方が良い料理
生の魚介類はお酒により避けた方が無難です。
◆ペアリングまとめ
チーズはどのタイプの日本酒とも相性◎
日本酒はワインほど料理との相性の良し悪しがはっきりしたものではありません。
日本酒は基本どんな料理とでも、絶対に食べられないというものはありません。
味の幅が広いお酒なのです。
以前は牛肉とは全く合わなかったのですが、最近はしっかりお酒を造ってきている蔵が多いので、牛肉とも相性の良いお酒が増えてきました。牛肉に合わせた日本酒なんていう銘柄もあります。
お酒の楽しみ方の一つとして、料理とのペアリングを考えてお酒を飲むのも楽しいです。